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2020年9月25日金曜日

『進む、書籍PR!!たくさんの人に読んでほしい本があります』

 

『進む、書籍PR! たくさんの人に読んでほしい本があります』奥村 知花

編集の端くれとして、書籍PRをもっと勉強しなければ、と読んでみました。

そこまで昔の本ではない(2018年発行)けれども、2020年現在では「テレビで取り上げてもらう」を目標とするPRの仕方が、ちょっと古臭く思えてしまったり。

とはいえ、書籍のよいところを点から面に広げ、メディアごとにさまざまな切り口からPRを繰り広げていくのは本当に見事。PRって、なんとなくスマートで華やかな印象があるけれど、裏では「必死さ」「泥臭さ」を求められるものなんですね(当たり前か)。ただ「本が好き」というだけではできないなあと、これまた当たり前のことながら、感心しました。


2020年9月6日日曜日

『丸く尖る発信で仕事を創る 共感SNS』

 

『丸く尖る発信で仕事を創る 共感SNS』ゆうこす

仕事で販促をあれこれ試す中で、参考になるかなと思って手に取ってみた一冊。読むまでは、失礼ながらゆうこすさんという方のことをあまりよく存じ上げなかったのですが、読み終わったらファンになっていたよ。すごいな、ゆうこす! セルフプロデュース能力が高すぎる……。「ゆうこす」という名前の付け方から、ファンが求めるゆうこす像の一歩先を演出する感じが徹底していて、素直に感嘆しかなかった。

率直な意見として、この感覚を有している若者たちと、SNSという同じ土俵で戦うのは難しいなと感じた。

2020年8月18日火曜日

『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』

  

『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』山崎圭一

高校時代、世界史の授業が大好きだった。というか、世界史の先生が大好きだった。先生のことが大好きすぎて職員室に入り浸り、SA(Student Assistant)にも立候補したし、影響受けまくって早稲田の政経に行きたいと思っていた時期もあった。

教科書(山川の世界史)はぜんぜん使わず、重箱の隅の隅をつつくような細かすぎる知識をしゃべり倒しているうちに授業を終えるチャイムが鳴る、とそんな授業ばかりする先生だった。

先生のおかげで歴史の登場人物の細かすぎて伝わらない物まねみたいなやつはマスターしたのに、肝心な歴史のメインストリームを身に付けなかった。暗記が嫌いだった。だから、受験科目としての世界史は苦手だった。センター試験でも7割くらいしか得点できなかった。

不惑を過ぎた今でも、世界史に対するズレた愛と、苦手意識が混在している。

ユーチューバー先生が書いた世界史の本、ということで、もしかしたら学びなおしができるかもと思って手に取ってみた本書。舞台がワールドワイドに飛びまくらないので、なるほど、たしかに理解しやすい。現代に至るまでの流れが、するっと読める。

でも、物足りないの。圧倒的に熱量が足りない。余計な枝葉がカットされているから、スマートで効率よく理解できると思うけれど、「どうでもいい情報」に飢えてしまう。

結局、私は何を求めてこの本を手に取ったんだっけ?という話。

2020年6月16日火曜日

『男ともだち』

『男ともだち』千早茜

なんか、とてつもなく都合のよいお話を読んでしまった感じがする。こんな「男ともだち」がいたらいいなという、女のファンタジーに溢れた物語。

こんな風に互いを尊重しあいながらも、恋愛関係ではなく、言うならば兄妹のような居心地の良い関係って築けるものなのかしら?と考えていたのだけれど、あぁそうだ、私も身近にいるわ、と気づいた。

夫だ。

なるほど、新しい発見だった。

2020年3月13日金曜日

『SOLO TIME「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』

『SOLO TIME (ソロタイム)「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』名越康文

孤独(Lonely)と一人(Alone)は別のもの。群れに依存せず、ソロタイムを楽しむことの健やかさを教えてくれます。

時間が無限にあった若いころとは違い、今は群れる暇があったらソロタイムがほしい。こういう人目を気にしなくなる過程をおばさん化というのかもしれないけれど……。

家族や友達の存在を否定するのではなく、「群れ」より「つながり」を大切にするという考えは、子どもにもていねいに伝えていきたい。ほら、女子ってグループ主義だからさ。

2020年2月24日月曜日

『街場の平成論』

『街場の平成論』内田樹

大好きな「街場の〇〇論」シリーズ!
さまざまな立場の著者により、多角的な視点で語られる平成論。視点が変わると認知も変わるわけで、「平成ってこんな時代だったっけ!?」と驚くことも。

賛美も否定もないニュートラルな論調なので、ムダに気持ちをすり減らすことなく読めるのがうれしい。10歳から40歳まで平成と共に過ごしてきた自分としては、「失われた30年」とか言われると悲しくなってしまうのです。私にとって平成は、多感な青春時代を過ごし、大切な家族を手に入れた、人生における大事な期間だったから。

人生100年なら、令和の次の時代まで見れるかも。そうしたら、自分史における平成論を孫に聞かせたいな。

2020年1月24日金曜日

『日本の気配』

『日本の気配』武田砂鉄

大好きな武田砂鉄さん。cakeで連載中のワダアキ考〜テレビの中のわだかまり〜はいつも欠かさず読んでいます。

著者によると、空気はその場で起きていることの「傾向」、気配は周囲の状況から感じられる「ようす」。今の日本に漂う漠然とした気配の在り処を、丁寧な言葉で紡ぎながら浮き彫りにしていきます。

私もこういう物言いをすることがあるな、と自戒したり、この物差しは私の頭の中にも存在するぞ、とハッとしたり、この視点は持ってなかった!と感心したり。
内省と価値観の洗い直しが忙しい。

2020年1月19日日曜日

『学びを結果に変えるアウトプット大全』

『学びを結果に変えるアウトプット大全』(樺沢紫苑)

大学を卒業して間もない頃、当時の上司から「インプット7割、アウトプット3割」と叩き込まれたことを今でもよく覚えています。良いアウトプットを出すためには、その倍以上のインプットが必要だぞ、と。

本書はそんな私の古臭い考えを一蹴し、とにかくアウトプットすることが知識の定着につながる、すなわち「インプット3割、アウトプット7割」で取り組めと説きます。
なにぶんアウトプットを怠りがちなので、この指摘にはドキッ。

読んだ本、観た映画、食べたスイーツ。記憶が確かなうちに早めにメモを残そうと思ったのでした。

2019年8月10日土曜日

『82年生まれ、キム・ジヨン 』

『82年生まれ、キム・ジヨン』 チョ・ナムジュ

大きな女性差別を経験したことはないし、ひどい性被害に遭ったこともないけれど、ごく平凡な日常の中にもたくさん存在する「女性の生きづらさ」。それが、とても身近でよくわかる形で表されていて、ページをめくりながら、幾度となく「ある、ある!」と大きく頷きました。

韓国で書かれたものとは思えない、かなしいほどに日本の状況にも完全合致。「女の子なんだからお手伝いしなさい」と言われた子ども時代、結婚して姓が変わる違和感、子どもが生まれて仕事をセーブせざるを得ない諦め。これまでに感じてきたやるせなさがドバーッとあふれ出て、読後はしばらく頭に血が上ったままだった……。

もう、こういう時代は終わりにしたいよね。

2019年7月31日水曜日

「むらさきのスカートの女」

『むらさきのスカートの女』 今村夏子

なんとも摩訶不思議な印象の、釈然としないおもしろさがある本。

近所の商店街でも有名な「むらさきのスカートの女」に興味を持つ主人公。あの手この手でお近づきになろうと策を講じ、ようやく捕まえた!と思ったら、するりと抜けていなくなってしまう……

社会不適応者だと思っていた「むらさきのスカートの女」が意外に職場でうまく馴染み、あれ、もしかすると不気味なのは主人公の方か?と混乱し、それでいて最後は煙に巻いたようなスッキリしない終わり方。沼にはまった感じ。

大体、このタイトルのくせにカバーのイラストは水玉スカートって、どんなけ肩透かしなのよ。

2019年7月1日月曜日

『残業学~明日からどう働くか、どう働いてもらうのか?』

『残業学~明日からどう働くか、どう働いてもらうのか?』 中原淳

今の時代、実際、みんなどれくらい残業しているの?と手に取った「残業学」。すごいタイトルですよね。

好きで残業する人なんていないでしょ、と思うところだけれど、そういえば自分も20代の頃は、深夜まで残業したり休日出勤したりする「忙しい自慢」がなんだか格好良く思えたものでした。お給料だって、残業代を含めて常に見積もっていたし。

意識改革だけでは残業は減らせないけれど、意識を変えないと残業は減らないという本書。指摘されている内容は分かりきったことばかりだけれど、「分かっていながら着手していないこと」を直視することから始めないとね。

2019年6月10日月曜日

『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる 学ぶ人と育てる人のための教科書』

『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる 学ぶ人と育てる人のための教科書』 落合陽一

なんとも読後感の良い本。
霧のようにもやもやしていた疑問や不安を、易しくロジカルに解説してくれて、読み終わった後は、なんだか自分も賢くなったかのような、スッキリした気分が味わえました。

“STEAM教育”と聞くと、「大人の学び」というよりは、未来のある子ども向けの教育かな、とも思いますが、人生100年時代では、不惑もまだまだ若造なのか(……と気持ちを若く)。

2019年4月15日月曜日

『そして、バトンは渡された』

『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ

「血の繋がらない親の間をリレーされ、4回も苗字が変わった」という帯を読むだけで、なんかもう、涙と葛藤と成長を勝手に想像、いやむしろ期待しまうのだけれど、描かれているのは淡々と流れる家族の日常。

「バトン」の意味を深く噛み締める最後のシーンには、胸がいっぱいに。血のつながりさえあれば家族になれる、というわけじゃないんだよなぁとしみじみ感じ入りました。

今日の夕食は、子どもたちが大好きな餃子にしよう。

2019年3月11日月曜日

『失われた感覚を求めて 地方で出版社をするということ』

『失われた感覚を求めて 地方で出版社をするということ』三島邦弘

『計画と無計画のあいだ』から3年後。人が増え、在庫が増え、オフィスが増えたミシマ社の姿が、素直に記されています。

ミシマ社本の一読者としては、版元のオフィス移転をめぐる葛藤にはそこまで興味が持てなかったけれど、出版に限らず、地方の田舎で暮らし、ビジネスをするということの苦悩を痛いほどに感じました。
そして結局、筆者の故郷・京都の真ん中に落ち着くところも、なんだか考えさせられたな……。

『計画と無計画のあいだ 「自由が丘のほがらかな出版社」の話』

『計画と無計画のあいだ 「自由が丘のほがらかな出版社」の話』三島 邦弘

ミシマ社の出す本の大ファンです。
どれを読んでもハズレがないし、どれを読んでも際立って面白い。

社員数名の小さな会社ながら、本に対する並々ならぬ愛情を持ち、「ほがらか」なんて言葉とは対極にあるような攻めの姿勢で本を出すミシマ社。

この本を読むと、三島さんのおおらかさと明るさが、すべてに通じていること、多くを引き寄せていることがよくわかります。
なんというか、ミシマ社の本には心がこもっているんだよな。

2019年3月4日月曜日

『人魚の眠る家』

『人魚の眠る家』東野圭吾

元気に出かけて行った娘が、プールで溺れ、脳死判定をされる。

考えただけで気が狂いそう。

取り乱し、わずかな希望にすがる母親に、最初は共感して涙を流したものの、そのうちにうすら寒い気味悪さを感じるように。

母親に感情移入していたつもりが、実は私は父親(夫)目線で読んでたのか……!


2019年2月15日金曜日

『傷つく人、傷つける人』

『傷つく人、傷つける人』信田さよ子

歳をとってよかったと思うことの一つに、ちょっとやそっとのことでは傷つかなくなったということがあります。
感受性豊かな若者だった頃は、ほんの些細なことで勝手に傷つき、悩んだり落ち込んだりしたものです。

すっかり図太いメンタルを手に入れてしまった今は、傷つくことより、むしろ人を傷つけてしまうことに意識的でなくては。
大人同士だけでなく、自分の子どもに対する態度、言葉の選び方など、気づきが多く、勉強になりました。そして、大人になった今でも「こんなことで傷ついた!」と泣きつける友人の存在は偉大だな、と思ったのでした。

2019年1月29日火曜日

『動画2.0』

『動画2.0』明石ガクト著

動画初心者にはうってつけの入門書。1、2時間もあれば読めてしまう軽いタッチの本ではあるけれど、著者がこれを動画で表したら、おそらく10分程度に濃縮できてしまうのでは。

「映画の価値は、スマホの電源を2時間オフにして、ソーシャルメディアで話題のコンテンツを体験すること」には思わずのけぞった。反発する気持ちもあるけれど、確かにその通りだよね。

タブレットを操りTikTokの動画を撮る娘たちには舌を巻いているんだけど、そういう姿を見れば見るほど「本も読もうね!!」としつこく言いたくなってしまう、昭和生まれの自分。

2018年12月31日月曜日

『魂の退社』

『魂の退社』 稲垣えみ子

高収入だけれど仕事に忙殺される朝日新聞社を早期退職し、「自由」を手に入れた筆者。
電気代200円で暮らす清貧生活は、ともすれば読み手を不安にしてしまいそうなほどのインパクトのある暮らしぶりです。

それでも安心して楽しく読めるのは、ご本人の芯の強さと知性、そして何よりも安定感のある筆力。このペンの力を備えていれば、この人は食いっぱぐれて路頭に迷うことはないだろうと思えます。

そして、アフロヘアがたいへんチャーミングで、私も真似したいなとうっかり思ってしまいました。

2018年11月9日金曜日

『煩悩ウォーク』

『煩悩ウォーク』 岡宗秀吾

「全日本コール選手権 with みうらじゅん」が大好きだった人間としては、企画にあたり、みうらじゅんに話を持ちかけたところのくだりが、最高。じーん。
親となった今は、「全日本コール選手権」は子どもに見せたくない映像の1つだけど。

スチャダラパーとの交友話も本当におもしろくて、筆者の観察眼に舌を巻きます。

あまりに煩悩丸出し、なんとも下品でくだらないので、薦める相手を選ぶ本です。テレビを観ない若い人たちには、この熱量が伝わらないかも。

でも、この本、すごくおもしろいよ!