2008年9月8日月曜日

京都音楽博覧会 2008

RSRから3週間。京都おんぱくに備えて予習をしなければと思ってはいたものの、なんだか予習より復習をしたい気分でサニーデイ・サービスばかり聴いておりました。当日の新幹線で聴けばいいかと甘く考えておりましたが、新横浜から乗り込んで、目が覚めたら、おこしやす京都。今年のおんぱくは、カメラを忘れ、洋服を忘れ、タオルを忘れ、予習さえも忘れた……。前日の天気予報によると降水確率60%だったのでレインコートは新調しましたが、当日はなんとも良い天気。防寒対策ばかり考えて、日焼け止めもすっかり忘れてしまいました。。

炎天下にほろ酔い加減で芝生に座ってハンバート ハンバート、アシャ、Lana&Flipと聴く。アシャは初めて聴いたけれど、なんとも素敵!見た目からしてR&Bっぽいのをイメージしていたのだけれど、実際はもっと落ち着いてる系。耳に優しく、懐かしい音楽。きっとブルーノートみたいな場所で静かに聴いても素敵なのだろうけれど、歌いながら登場しちゃうようなアシャのキャラクターを十分に楽しめるから、やっぱり野外フェスってすばらしい。

続いて、暑い中ご登場の細野晴臣&ワールドシャイネス。タオルで無造作に顔をごしごし拭いたりして、大御所細野さんはなんとも自然体。己の予習不十分感は否めなかったけれど、生で細野さんが歌っているのを見れただけで、もう大満足。静かに聴き入りました。それにしても、おんぱく参加者のほとんどは20代のように見えたけれど、そんな若者たちにも支持される細野さんてすごいなぁ。

大工さんのセッションを抜けて、アイスなどを食べたりしていたところで大粒の雨!そこで参加者が一斉にレインコートを着始めたのには、驚き。おんぱくはリピーターが多いのかしら。みんな、去年の大雨で痛い思いをしたのでしょう…


そんな雨も10分程度ですぐに止み、待ってました、大御所・小田和正!「たしかなこと」「ラブストーリーは突然に」と続き、そろそろ出てくるかな、と思ったところで、くるり登場。そして一緒に「ハイウェイ」。なんと素敵なセットリスト!ぐっときました…
。そして最後「今日もどこかで」。よい曲でした。泣けました。おんぱくDVDが出るなら買います。

さて本腰入れていきますか、とステージ前方へ移動して、rei harakami。実は、ステージで地味に機材をいじってるハラカミさんを見ていても別段おもしろくないのでは?と思っていましたが、そんなことはまったくなく、良い意味で予想を裏切られました。ハラカミさんはリズムそのもの!機材の上のペットボトルを取る、水を飲む、置く、タオルを取る、汗を拭く、置く…
。一連の動作のすべてが自然に音に乗っているのです。もちろん私たちも自然と音楽に身を任せて、楽しく踊れました。音楽は頭で考えるのではなくて、身体で感じるものだなぁと実感。

スウェーデンのアカペラグループ、The Real Groupで心を洗われた後、〆のくるり。この2ヶ月でくるりのライブを聴くのは3回目でしたが、おんぱくでのくるりはずば抜けてすばらしかった!何がすばらしいかって、まずメンバーがすごい!ステージ右手にバイオリン持っているのはハンバート ハンバートの佐藤良成さんですから!


「夕日、きれいやなー」と言いながら、まずは「ブレーメン」「飴色の部屋」。2曲ともデラぜっぴんでもライジングでも聴いたけれど、全然音が違います。もちろんアコースティックバージョンだから違うのは当たり前ではあるのですが。ライブで初めて聴く「京都の大学生」と、「学生時代は賀茂川をふらふらしてばかりいました・・・賀茂川の歌を歌います」というMCに続けて、「リバー」。リバーが賀茂川の歌だったなんて、初めて知りました。「さよならリグレット」「真昼の人魚」と新曲が続き、しっとりと「ばらの花」「宿はなし」。

行くまでは、今年はRSRもあるしライブも行くしと、おんぱくへの参加を迷っていましたが、くるりのこのステージが聴けて、本当に京都へ来てよかった。岸田くんがですね、非常に楽しそうに歌っているのが感じられて、なんというか、その姿を見れただけで幸せな気分になりました。

私はくるりのファンですが、実はあまり好きではない楽曲もけっこうあります。アルバムの当たり外れの大きさも、たびたび感じます。そういう冷静な視点を持つことがほかのアーティストへの興味につながるとも思ってきたし、自分の音楽の幅を広げてくれるのだと信じてきました。でも、今日はちょっと、一瞬、くるりを喜ばせるためにおんぱく来ているかのような錯覚に陥り、くるりが歌うのならば何でも好き!みたいな盲目的なくるり愛に目覚めました。新しい感覚でした。

アンコールの拍手が鳴り止まない中、戻ってきたくるり…
と細野晴臣!!!サプライズ!!どよめく会場に、してやったり顔のくるりの二人。そして一緒に、はっぴいえんどの名曲「風をあつめて」。学生時代に、よくMDで聴きながら通学してたなぁ。まさか本物を聴けるとは思っていなかったので、なんとも感慨深かったです

翌日はみんなで銀閣寺と哲学の道に行き、途中、弁天様(音楽の神様)で「来年もおんぱく来れますように!」としっかりお祈りしておいたのでした。