2007年2月1日木曜日

「マリー・アントワネット」

「マリー・アントワネット」を観てきました。


期待通りのソフィア・コッポラの世界。ラデュレのマカロンに囲まれたきらびやかな生活の一方で、コットンの小花柄ドレスを着てヴェルサイユの庭園をゴロゴロしちゃうような、前2作にも通じる少女的な気怠さが非常に心地よく、それでいて、「何かが起きそう」な不安感が漂い、そわそわと落ち着きません。

「ヴァージン・スーサイズ」でも主役を演じていたキルスティン・ダンストがよかった!クールでやや斜に構えたような表情が、少女時代のマリーアントワネットが抱える孤独や不安、揺れる心理状況をよく表していました。

ソフィア・コッポラの世界には「大人の女性」は登場せず、そこにいるのは「女の子」ばかり。でもその「女の子」は成長すると何になるのだろう? 江國香織の小説に出てくるような物憂いげな女の人のようになるのだろうか。それとも、いつまでも姫気分の抜けない幼い女性になるのだろうか。少女時代はいつまでも続かないということを私たちは身をもって知っているだけに、なんだか物寂しい気分になりました。

音楽の使い方も、さすが!という感じで、キラキラした画面にUKロックの鳴り響くこの作品をいたく気に入って、即サントラを購入して帰宅したのでした。