2006年12月19日火曜日

『夜のピクニック』

『夜のピクニック』恩田陸

高校最後の一大イベント「歩行祭」を通じて、卒業を控えた高校3年生の主人公たちの思いが描かれています。自分の学生時代と重ね合わせて、懐かしく、切ない気分で読みました。

ところで、私の中高時代といえば……

・中学2年生まで男子は坊主頭が義務付けられていた
・高校1年の半ばで体操着が短パンに。それまではブルマ
・高校1年の冬に防寒具(コート)着用が許可された
・高原教室は箱根(中学)と富士山(高校)
・クロスカントリー大会は女子11km、男子は20㎞以上走る

思えば、実に野性的な田舎の学生時代を送ったものです。

坊主頭を義務化とかコートの着用不可とか、いったい何のため?と思いますよね。

2006年12月13日水曜日

「Dreams」

「Dreams」 THE WHITEST BOY ALIVE


最近のお気に入りのアルバムで、全曲通しで聴くために、職場から家まで1時間近く歩いて帰ったりするほどです。

本作は、BELLE AND SEBASTIANにも通じるギターの繊細なメロディーが美しく、穏やかな聴き心地。「俺たちの生き方がロックだぜ!」というようにシャウトしまくる音楽も好きですが、本作のアコースティカルな楽曲には、ただただ安らぎを感じます。紙ジャケのセンスも好み。

さて、よくよく調べてみると、彼はKINGS OF CONVENIENCEのメガネの方(アーランド・オイエ)だということが発覚!びっくりしました。THE WHITEST BOY ALIVEのときは、残念ながら眼鏡を外しているようなのですが、メガネ男子好きとしては今後も定期的に追っていきたいところです。

2006年12月7日木曜日

LUPIN THE THIRD JAZZ LIVE

Yuji Ohno & Lupintic Five with Friendsのライブに行ってきました。実はジャズライブはすごく久しぶり。もう3年前くらいにDCPRGを聴きに行ったとき以来です。

大野雄二さんといえばルパン三世で有名な方ですが、熱海出身で慶応義塾在学中にジャズに目覚めたという経歴からして、勝手に親近感を抱いておりました。

ライブは、なんとも素敵な時間。大野さんのピアノも素晴らしかったけれど、サックスとトランペットが最高!うっとりしました。テナーサックスが本当にエロスに満ちていて。峰不二子や、ハスキーボイスの女性をほうふつさせるフェロモンたっぷりの音でした。一方、トランぺットもはまるーく柔らかい音。目をつむって聴いてると、一瞬ペットの音に聴こえないくらい優しい音でした。トランぺッターは顔も私の好みだったし、耳に目にうれしいひと時を過ごしました。

基本的にジャズライブは大人の時間ですが、今回はルパン三世のテーマということもあり、程よく遊び心もある気楽さがよかったです。

2006年12月4日月曜日

「カポーティ」

「カポーティ」を観てきました。



感想は、「周りにいたらすごく嫌なヤツだね」ってところでしょうか。

トルーマン・カポーティは『遠い声 遠い部屋』も『ティファニーで朝食を』も大好きなのですが、本作を観てその人間性に失望したというか、「作品がすばらしいからといって、作家が偉人とは限らないのだな」と痛感。

冷徹で薄気味悪い男カポーティをフィリップ・シーモア・ホフマンが見事に演じきっていて、役とはわかりつつ大嫌いになりそう。観ていてイライラすることが多く、げっそり疲れました。それだけ面白かったということですが……。

『冷血』は読んだことがなかったので、鑑賞後に買って帰りました。映画のシーンと重なる部分が多く、ぞくりとする凄みを感じながら鳥肌をなでつつ読みふけりました。

2006年12月1日金曜日

「Freedom Spark」

「Freedom Spark」 Larrikin Love


音楽好きの友人に薦められて初めて聴いたLarrikin Love。

かすれた声と美しいメロディー、なのに妙にアンバランスで力強いドラムとか、「懐かしいのか新しいのか」という感じがたまらなく素晴らしい!彼らはなんと、1984年生まれ。まだ若いのに、なんと完成度の高いアルバムなんだろう……。

初めてTHE LIBERTINESを聴いたときと同様、耳慣れない音とリズムに馴染むまでちょっと時間がかかりましたが、繰り返し聴いていると、この若くて挑発的な雰囲気には中毒性があり、完全にのめり込んでしまいました。

ともすれば楽をして馴染みのある音楽ばかり聴いてしまいがちですが、一貫して同じ音楽を聴き続けるにしても、寄り道的にほかの新しい音楽を耳にすることで、いつもの音楽にも新しい発見があったりすると信じているので、これから歳をとっても、たまにはこうして若いバンドの音楽を聴いていきたいと思います。

2006年10月8日日曜日

『鶉籠』



ROCKIN'ON JAPANの「岸田二万字インタビュー」が載っているバックナンバーを探して古本屋に入ったところ、美しい装丁に惹かれて思わずジャケ買い。

明治39年発行の初版を昭和50年に復刻しているもののようです。橋口五葉の手がけた美しいデザイン。これが今から100年も前に作られたなんて。


2006年6月25日日曜日

「アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶」

「アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶」を観ました。




モンマルトルの丘が見えるパリのアパルトマンの屋上で絵を描こうとして、「今日は日ざしが強いからやめる」と腰を上げるブレッソン。ルーブル美術館のヤン・ファン・エイク「宰相ニコラ・ロランの聖母子」を見て「計算しつくされている」とつぶやくブレッソン。しわくちゃの手で写真に小さくサインを入れるブレッソン。

93歳のアンリ・カルティエ=ブレッソンが穏やかに笑っている映像を見ながら、実に当たり前なのだけれど、あぁ、この人はつい最近までこの世に生きていたんだなぁと思いました。

ドキュメンタリーとしてはちょっと物足りなさも感じますが、サルトル、マティス、トルーマン・カポーティ、ココ・シャネル……偉大、というか偉大すぎてちょっと実感の湧かないような人たちの素の表情や撮影のエピソードはとても興味深く、まさに「秘話」。

また、ブレッソンの作品の中から、エリオット・アーウィットやイザベル・ユペールたちが選ぶマイベストが非常に面白い。なんでそれ選んだの?ともっと詳しく聞きたくなります。

私にはこんな写真は撮れないけれど、瞬間瞬間に芽生える感情だとかひらめきだとかそういうものを無視しないで、写真を撮るかのように、ちゃんと育てていきたいと思いました。

ちなみに、アンリ・カルティエ=ブレッソンのことをアメリカ人は「ブレッソン」と呼ぶけれど、フランス人は「カルティエ」と呼ぶそうです。イザベル・ユペールは、親しみを込めて「アンリ」と呼んでいました。


2006年6月15日木曜日

6月



気づけばもう6月。雨とあじさいとボブディランの季節です。

紫陽花の名は、集(あづ)真藍(さあい)が由来で、その名の通り、青い花が集まって咲いている姿を表しているのだそう。思わず人に教えたくなりますね。

2006年5月14日日曜日

「STADIUM ARCADIUM」


「STADIUM ARCADIUM」Red Hot Chili Peppersを聴きました。

あー、やっぱりすごいなぁ、レッチリはかっこいいなぁ!!アンソニー、最高!フリーは神!

はじめはゴルフの打ちっぱなしをしながら聴いていたのですが、きっとライブだったらここですでに上半身は脱いでるだろうな、とか想像してしまい、まったく集中できません。

音楽に心を持って行かれてグラブを握る手に力が入らず、結局あきらめてベンチに腰掛けてゆっくり聴きました。

2006年5月5日金曜日

仙台旅行

思い立って、GWに松島へ行ってきました。


松島で遊覧船に乗りながら。

船の後を追ってたくさんのカモメは飛んでいたので、カモメは動くものに寄って来るのかなぁと見とれていたら、係員がデッキで餌を与えてカモメを集めていました……。




味 太助 分店いいだ」の牛タン定食。とにかく厚い。文句なしにおいしい。




「龍亭」の涼拌麺。エビとレタスだけがあらかじめ載っており、ほかのものは好みでトッピング。ゴマダレが濃厚なのに意外とさっぱり食べられて、おいしかったです。



2006年4月21日金曜日

『世界の果てのビートルズ』

『世界の果てのビートルズ』 ミカエル・ニエミ

私はおそらくあまり熱心なビートルズファンではないし、アルバムだって、そんなにたくさん持ってません。

でもビートルズのことはとても好きだし、2002年のポールの来日公演で「ジョージに捧げる」といってジョージのウクレレでポールがSomething歌ったときには胸が熱くなったものです。「ボクがこうやって(ゆっくり)ウクレレ弾くとね、ジョージが "No, No, No" と言ってこうやって(速く)弾くんだよ」とか言ってさ。

本作はビートルズの本ではなく、ビートルズを聴いて「うわー!」となったスウェーデン奥地の少年の話です。

ビートルズファンならば、きっとどこかに共感できるところがあるはずで、久々に、あぁいい本にめぐりあったなぁという気分になりました。本屋大賞も、納得。

2006年4月13日木曜日

『沖で待つ』

『沖で待つ』 絲山秋子

とりたてて文章が美しいわけでもないし、文体やテクニックが抜群に優れているとかいうわけでもなく、堅実な、というか、地味な本。

しかし、この地味な日常が、あまりに自分の毎日と似通っていて、いやたぶん、私だけじゃなくて、この話に共感するサラリーマンは多いのでは。面白いとか面白くないとか言ってる前に、仕事に一生懸命にならざるをえないような、そんな毎日。

友達や家族ほど近しくはないけれど、確実に自分の「仲間」である同期。将来、誰かが出世したとか左遷されたとか、人間関係が微妙になるのかもしれないけれど、それでも、あの新入社員時代を一緒に過ごしたというだけで、連帯感を覚える人たち。

その同期との居心地の良い距離感を思い出し、読み終わった後は、同期が恋しくなりました。

2006年3月30日木曜日

『鈴木敏文の「統計心理学」』

『鈴木敏文の「統計心理学」―「仮説」と「検証」で顧客のこころを掴む』 勝見明

仕事柄、統計という名のついた本はとりあえず買って読んでみることにしているのですが、、この本は統計とはほとんど関係ないようです。

中身をよく表す演題をつけるとしたら「鈴木敏文とセブンイレブン成長術」というところでしょうか。

あえて感想を言うのであれば、「流通業って大変だなぁ」。

2006年2月22日水曜日

『しょっぱいドライブ』

『しょっぱいドライブ』 大道珠貴

この本、タイトルの「ドライブ」という言葉で連想しがちな爽やかさは、どのページにも見当たりません。

あるのは、ないと不安になり、訪れると恨めしく思う、例えていうならば、生理のような鬱陶しさでしょうか。

会わないときは会いたくて会いたくて仕方ないのに、会ってるときはイライラして邪険に扱いたくなるといった、女のワガママな「姫」部分の描写はあまりにもリアルです。

リアルすぎて目をそむけたくなる箇所が多々あり、早く読み終えて、私の住む現実の世界に戻りたいと思いながら読んだのでした。

2006年2月13日月曜日

『ラッシュライフ』

『ラッシュライフ』 伊坂幸太郎

スピード感のあるストーリーと、手に汗にぎる展開。まさに、エンターテイメントそのもの。

あらすじを読まずに、一気読みしてほしいです。

常々思っているのですが、伊坂幸太郎のの面白さは、男性のうんちく魂をくすぐりそう。
中身を解体して、1つひとつの技巧について、「この部分は映画の構成を真似ていて……」と解説したがる人がいそうだなぁ。