2007年4月12日木曜日

『ロング・グッドバイ』

「ロング・グッドバイ」レイモンド・チャンドラー著/村上春樹訳

最初の1ページ目からぐいぐい引き込まれ、早く先を読み進めたくて仕方がないのに、読み終えてしまうのがさみしくて、もっと時間をかけて読んでいたいという、矛盾する気持ちを抱えながら読みました。

正直なところハードボイルドなんてよくわからないし、暴力や殺人ばかりの血なまぐさいストーリーではありますが、マーロウの情に厚い性格や、確かな洞察力と、人に対するまっすぐな期待や信頼がきちんと伝わってくるからこそ楽しめる作品。

結末がわかっているサスペンスものなんてつまらなくなりそうなものなのに、何回読んでも新しい発見があり、購入してからも、何度も読み返しました。

それくらい、どっぷりはまってしまった。本当におもしろかった!

「長いお別れ」の方も、ぜひ読んでみたいです。

2007年4月10日火曜日

「RIOT ON AN EMPTY STREET」

「RIOT ON AN EMPTY STREET」 KINGS OF CONVENIENCE


ノルウェー出身のアコースティック・デュオ、KINGS OF CONVENIENCEの3rdアルバム。サイモン&ガーファンクルの再来とか言われているそうですが、優しく暖かい歌声と、切ないメロディがたまりません。

仕事に疲れて帰宅したときなどに、無意識に手に取ってしまう癒しのアルバムです。

2007年4月1日日曜日

「not too late」

「Not Too Late」Norah Jones


声も楽曲も大好きなノラ・ジョーンズ。

私はロックやポップスをかけながら読書したり仕事をしたりすることができないので、BGM的に使いたいときはもっぱらジャズやクラシックを音を落として流すことが多いのですが、これはBGMというほど空気化させたくはないけれど、ずっと集中して音楽を聴ける気分ではないときに重宝しています。特にけだるい朝に肌なじみがよいです。

2007年3月26日月曜日

「今宵、フィッツジェラルド劇場で」

ロバート・アルトマン監督の遺作、「今宵、フィッツジェラルド劇場で」を観てきました。



「最後のステージ」や「死」という別れの影が常にちらついているのに、最後まで人間愛に溢れたピースフルな作品でした。

ミュージカルではありませんが、常に誰かが歌を歌ったり楽器を演奏したりしているため、観客である私たちも出演者の昂揚感のようなものに巻かれて、大変陽気な気分で見ることができます。鑑賞後は思わず鼻歌!


2007年2月1日木曜日

「マリー・アントワネット」

「マリー・アントワネット」を観てきました。


期待通りのソフィア・コッポラの世界。ラデュレのマカロンに囲まれたきらびやかな生活の一方で、コットンの小花柄ドレスを着てヴェルサイユの庭園をゴロゴロしちゃうような、前2作にも通じる少女的な気怠さが非常に心地よく、それでいて、「何かが起きそう」な不安感が漂い、そわそわと落ち着きません。

「ヴァージン・スーサイズ」でも主役を演じていたキルスティン・ダンストがよかった!クールでやや斜に構えたような表情が、少女時代のマリーアントワネットが抱える孤独や不安、揺れる心理状況をよく表していました。

ソフィア・コッポラの世界には「大人の女性」は登場せず、そこにいるのは「女の子」ばかり。でもその「女の子」は成長すると何になるのだろう? 江國香織の小説に出てくるような物憂いげな女の人のようになるのだろうか。それとも、いつまでも姫気分の抜けない幼い女性になるのだろうか。少女時代はいつまでも続かないということを私たちは身をもって知っているだけに、なんだか物寂しい気分になりました。

音楽の使い方も、さすが!という感じで、キラキラした画面にUKロックの鳴り響くこの作品をいたく気に入って、即サントラを購入して帰宅したのでした。

2007年1月15日月曜日

Tokyo Ska Paradise Orchestra 2006 Tour

2006年7月から始まった東京スカパラダイスオーケストラ 2006ライブツアー「Wild Peace」、7カ国71ツアーのファイナル公演を聴きにさいたまスーパーアリーナへ行ってきました。

このファイナル公演の目玉は、なんといってもゲストボーカル。「Come On!」から大盛り上がりで始まり、ハナレグミ、Charaとゲストが出てくるたびに、大歓声。そんな調子で、Tシャツ1枚でいても汗がでるくらい熱いアリーナに甲本ヒロトが登場したときには、みんながあまりに興奮して手を振り上げてるから、最後尾ブロックにいた私からはモニターでしかヒロトの姿が確認できないほど。「星降る夜に」は、普通の音源で聴いたら決して盛り上がる楽曲ではないと思いますが、ヒロトのダンスと力いっぱいの歌に、私を含め会場全体が地震のようにタテ揺れ!すごい迫力です。大きなミラーボールが回るアリーナで、スカのリズムとパンチの効いたヒロトの声にぴょんぴょん飛び跳ねながら、ライブの醍醐味を味わってきたのでした。

「DOWN BEAT STOMP」で終わるまで、酸欠になりそうなくらい熱気に包まれた2時間半。歌ももちろんよかったけど、言葉がなくても伝わる音楽は確実にあるのだと、なんだかものすごく感動しました。鳴りものはやっぱり最高!元吹奏楽部の血が騒ぎました。

2007年1月10日水曜日

『大人の写真。子供の写真。』


『大人の写真。子どもの写真』

同じ風景を、大人と子供でどう撮るかという写真比較をしている本書。

旅先で風景を写真におさめて帰ってくることは多いものの、何年か経ってその写真を見返しても「これ、どこだっけ?」と記憶があいまいになっていることが多々あります。逆に、特別な場所でなくても、「ここ、みんなでじゃんけんグリコしたよね!」とか、「この島、原チャリ借りて回ったな」といった確かな思い出があると、写真からすぐにその記憶がよみがえるものです。

大人と子供の写真を見比べて気づくのは、大人の写真は美しい風景や写真映えする構造がおさまっているのに対し、子供の方は「ここは楽しいから撮るぞ!」という気持ちが切り取られているということ。子供は、誰に写真を見せるかなんてたぶん考えていなくて、自分の好奇心に忠実にカメラを向けているんですね、きっと。