2016年12月6日火曜日

『職業としての小説家』

『職業としての小説家』 村上春樹

小説家という職業についている筆者が、仕事への姿勢や自分なりの仕事観を真摯に、誠実に語っている一冊。語り口は淡々としているけれど、行間から小説に対する熱い思いがひしひしと伝わってきます。

これまでの人生の歩みや作品の裏話が新鮮で、もう何度も読み返した作品もまた再び手に取りたくなるし、一度読んだもののあまり好きになれず、本棚に入れっぱなしになっているものも、引っ張り出して読みたくなります。

小説家という職業自体は珍しいけれど、プロとしての仕事への向き合い方という意味では私にとっても教えられることが多く、背筋が伸びる思いです。

胸に刺さる言葉が多く、角を折ったりサイドラインを引いたりしながら、何度もページを進んだり戻ったりしながら読みました。まるでビジネス書を読むときのように。こんなにも気分が昂ったのは久しぶり。

早く職場に戻りたいな。平凡ながらも、自分が好きで取り組んでいる仕事に、もう一度ちゃんと向き合いたくなりました。

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