『博士の愛した数式』 小川洋子
初めてこの本を読んだのは、もう1年以上前のことでした。あまりに素晴らしく、あまりに衝撃的だったので「すぐにブログで紹介しよう!」と心に誓ったというのに、今日まですっかり忘れていました。
こんなわけで、私たちは日々多くのことを忘れて生きているわけですが、「自分は忘れてしまったのだ」という事実に気づくのは難しく、そしてそれを自覚するとなかなかに凹みます。
博士の周りの人たちが、「博士は大事なことを忘れてしまっている」という事実をできるだけ気づかせないように、優しい心配りをするようすに、自分の周りの人たちの姿を重ねて目頭が熱くなりました。
本当に感動。すばらしい本でした。